行政書士法人INSIGHT
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事業協同組合専門の行政書士事務所
● 事業協同組合設立認可の基準
事業協同組合が成立するためには、中小企業等協同組合法に定められている通りに手続きを行い、
且つ、その内容が確立されていなければなりません。そこで、始めて社会的価値を備えるに至り、法人
となる資格が生まれます。
事業協同組合の設立認可を受けるには、次の事業協同組合の原則に加え、法定基準を充たす必要
があります。
[事業協同組合の原則]
(1)組合員の相互扶助を目的とした組織であること。
(2)自由加入・自由脱退であること。
(3)総会における議決権・選挙権は、出資の額に左右されることなく1組合員1議決権・選挙権
であること。
(4)組合が実施する事業は、組合の利益ではなく、組合員に直接事業の効果を与えることを
目的として実施すること。
(5)組合の事業活動が、特定の組合員の利益のみを目的として実施されることがないこと。
(6)剰余金の配当は、原則として組合事業の利用分量に応じてなすものとし、出資額に応じた
配当は年1割までとすること。
(7)政治的に中立であること。
[法定基準]
(1)発起人が法定基準を充足し、且つ、組合員になろうとする者であること。
(2)創立総会の開催公告が適法に行われていること。
(3)設立同意者が組合員資格を有する者であること。
(4)創立総会が適法な定足数を充足して開催され、且つ、各議案につき適法な議決が行われ
ていること。
(5)定款及び事業計画の内容が、中小企業等協同組合法その他の法令に違反していないこと。
(6)次の点が組合の目的、すなわち、主として事業の実施計画と対比して矛盾がなく、又は各
事項相互の間に極端な不均衡がないこと。
(ア)組合員資格
(イ)設立同意者数
(ウ)払込出資予定額
(エ)役員の構成
(オ)経済的環境
※特に(6)については、組合が事業を実施するにあたり必要とされる経営基盤を欠いていない
か?、また事業実施の計画や予算に無理がないか?組合の目的と事業計画等に矛盾が生じて
いないか?設立同意者数や払込出資予定金額、賦課金、事業利用手数料は妥当な範疇である
のか?など、組合運営上の安定性や継続性の面から客観的且つ総合的に審査されます。設立
目的の達成が著しく困難と判断されれば認可はなされません。
<不認可となる事例>
(1)払込出資額が著しく少額で、共同経営体としての組合であると認め難いとき。
(2)事業計画が漠然としており、共同経営体としての組合の目的ないし趣旨が著しく分明でき
ないとき。
(3)組合員の極めて一部の者のみが組合の事業を利用するであろうことが明瞭であり、又は、
発起人若しくは代表理事のみの利益のために組合を設立しようとすることが明瞭であって
組合は単に名目的な存在となる可能性が強いと認められるとき。
(4)極めて不安定な基礎の下に火災共済、その他の共済事業を行う目的をもって設立するも
のであると認められるとき。
(5)出資金の日掛ないし月掛の払込、借入金の日掛の受入等によって、相互金融事業を行お
うとするものであるとき。